趣味がない人、多いのではないでしょうか?
趣味と言い切れるものはありますか?
元々無趣味だった私も、何か身につくものをとピアノを始めてみたり、流行っているゲームを初めてみたり、と色々なことに手を出しましたがどれも長続きしませんでした。
そんな時に本を読んでみようと思い、出会ったのが、有川浩さんの『植物図鑑』、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』でした。
これらの本を読んだことで、初めて読書の面白さ、素晴らしさ、そして作者が創り出す世界に触れる喜びを知り、見事に読書にハマってしまい。
今では年間80冊程度は読むようになりました。
読書は、他の趣味と比べて初期投資が少なく、手軽に始められるのが魅力です。
また、場所を選ばず、時間も有効活用できるため
忙しい現代人にもぴったりの趣味と言えるでしょう。
そして普段の生活では経験できないこと、想像もつかない世界を、手軽に体験することができます。
かつての私のように無趣味で悩んでいる方にこそ、ぜひ読書の魅力を知ってほしい。
今回は、そんな方々におすすめの本を6冊ご紹介します!
『有頂天家族』森見登美彦
「面白きことは良きことなり!」
古都の京都。夜空を舞い、街角で化け比べ。
この街では人間だけでなく、狸も天狗も暮らしている。
主人公は、狸の名門・下鴨家の三男、矢三郎。父はかつて狸界の頭領だったが、ある年の瀬に狸鍋にされてしまった。
個性豊かな兄弟たち、変わり者の天狗、そして美しき人間と、騒がしくも愛おしい日々を送る矢三郎。
彼らの周りでは、愉快な事件やちょっぴり切ない出来事が次々と巻き起こる。
一族の誇りを胸に、京都の街を駆け巡る彼らを待ち受けるのは一体どんな結末なのか!?
「面白きことは良きことなり!」をモットーに生きる矢三郎たちの波瀾万丈な物語が
今、幕を開ける。この不思議な世界を覗いてみませんか?
作品の見どころを3つ紹介
- 個性豊かなキャラクターたち: 主人公の矢三郎をはじめ、一癖も二癖もある狸の一族、
人間離れした天狗、そして魅力的な人間たちが、物語を彩ります。
彼らの織りなす人間?模様は、時にコミカルで、時に切なく、読者の心を捉えて離しません。 - 京都の美しい風景描写: 物語の舞台は京都。森見登美彦ならではの繊細な描写で、古都の風景が生き生きと描かれています。
糺の森、鴨川、五山の送り火など、京都の名所が物語に親近感、没入感、深みを与えています。 - 予測不可能なストーリー展開: 物語は狸たちの日常を描きながらも、父の死の真相、宿敵との対立、そして恋の行方など様々な要素が絡み合い
読者を飽きさせません。ユーモアとペーソスが絶妙に混ざり合った、予測不可能な展開が魅力です。
こんな人におすすめ!
- ユーモアのある物語が好きな人
- 日本の文化や京都の風景に興味がある人
- 少し不思議で、心温まる物語を読みたい人
- 森見登美彦作品が好きな人
『有頂天家族』は、読む人を選ばない、エンターテイメント作品です。
『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
「春宵一刻、値千金!」
春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)とは、春の宵(よい)は素晴らしく、そのひとときは千金にも値するという意味です。
夜の京都を舞台に、黒髪の乙女と「先輩」の恋の行方を描いた物語。
乙女は夜の街を気ままに歩き、様々な出来事に遭遇します。
古本市での不思議な出会い、学園祭での騒動、そして個性豊かな人々との交流…。
一方、「先輩」は乙女に想いを寄せながらもなかなか素直になれず、彼女の周りをうろうろするばかり。
偶然を装った出会いを繰り返すうちに、二人の距離は少しずつ変化していくのでしょうか?夜の帳が下りた京都で繰り広げられる、ちょっぴり不思議で、どこか懐かしい青春の物語。果たして二人の恋の行方は…?
春の夜の夢のような、奇妙で楽しい物語を、あなたも体験してみませんか?
作品の見どころ3つ紹介!!
- 独特の文体とユーモア: 森見登美彦ならではの独特の文体とユーモアが満載。
軽妙な語り口と、奇想天外な展開が、読者を飽きさせません。
特に、「先輩」の内心のモノローグは、ユーモラスで共感を誘います。 - 魅力的なキャラクターたち: 黒髪の乙女の天真爛漫さ、先輩の不器用さ、そして周囲の個性的な人々など、魅力的なキャラクターたちが物語を彩ります。
彼らの織りなす人間関係は、時にコミカルで、時に切なく、読者の心をガッチリと掴みます。 - 京都の街の描写: 物語の舞台は京都。夜の先斗町、下鴨神社の古本市、大学の学園祭など、京都の様々な場所が舞台となり、有頂天家族同様、物語に臨場感かつ奥行きを与えています。京都の街の描写が、物語の幻想的な雰囲気を高めています。
こんな人におすすめ!
- 恋愛小説が好きな人
- ユーモアのある物語が好きな人
- 少し不思議な、ファンタジー要素のある物語が好きな人
- 森見登美彦作品が好きな人
- 京都の街並みが好きな人
『夜は短し歩けよ乙女』は、読後、心が温かくなるような素敵な物語です。
『植物図鑑』有川浩
「恋は、道端に咲く花のように。」
ある夜、マンションの前で倒れている青年を拾ったことから、さやかの日常は一変します。名前も素性も明かさない彼は、なぜか植物に詳しく、美味しい山菜料理を作ってくれる。
成り行きで始まった奇妙な同居生活。見慣れた風景の中に隠された、小さな発見と喜びを教えてくれる彼に、さやかは次第に惹かれていきます。
都会の一人暮らしで少し疲れていたさやかの心に、優しく芽生えた感情は、一体どんな花を咲かせるのでしょうか。
四季折々の植物を通して描かれる、二人の距離感の変化は、読者の心を温かく包み込みます。
日常に隠された小さな幸せを見つけることができる、心ときめく物語です。
作品の見どころ3つ紹介!!
- 植物と料理を通して深まる関係: 物語のキーとなるのは、道端に咲く草花や山菜。青年が作る料理を通して、さやかは今まで知らなかった植物の世界に触れ、二人の距離は自然と縮まっていきます。植物の名前や効能だけでなく、季節の移ろいを感じられる描写も魅力的です。
- 心温まる日常の描写: 特別な事件が起こるわけではありませんが、二人の日常のやり取りが丁寧に描かれており、読者は穏やかな気持ちで物語を読み進めることができます。何気ない会話や食事のシーンから、二人の心の変化が伝わってきます。
- 読後、心が優しくなれる: この物語は、読後、心が温かくなり、周りの風景が少し違って見えるような感覚を与えてくれます。身近な自然に目を向けるきっかけにもなり、日常の中に隠された小さな幸せに気づかせてくれるでしょう。
こんな人におすすめ!
- 恋愛小説が好きな人
- 日常の中でささやかな幸せを見つけたい人
- 植物や自然に興味がある人
- 心が温まる物語を読みたい人
- 有川浩作品が好きな人
『植物図鑑』は、忙しい日々の中で忘れがちな、大切な何かを思い出させてくれる、心安らぐ物語です。
ぜひ、手に取って優しい時間をお過ごしください。
『キネマの神様』原田マハ
「映画は人生の玉手箱」
映画に人生を捧げた男、ゴウ。かつては映画監督を夢見ていたものの、今はギャンブル好きで家族に迷惑ばかりかけている。
それでも、彼の中の映画への愛は消えることなく、映画館に通い続けている。
そんなゴウと、彼を支え続ける妻の淑子、そして周囲の人々との関係を通して
人生の喜びや悲しみ、そして映画の素晴らしさを描く物語。
過去と現在が交錯する中で、ゴウの人生はどのように変化していくのか。
彼が信じ続けた「キネマの神様」は、彼にどんな奇跡をもたらすのか。
映画を愛する全ての人に贈る、感動の物語。
人生の様々な局面で映画がどのように人々の心を支え、彩ってきたのかを感じ取ることがきっとできるでしょう。
過去の夢、現在の葛藤、そして未来への希望が織りなす、温かい人間ドラマを覗いてみませんか?
作品の見どころ3つ紹介!!
- 映画への愛が溢れている: 物語全体を通して、映画への深い愛情が伝わってきます。
映画の黄金期への郷愁、映画作りの情熱、そして映画が人々に与える影響など、映画ファンにはたまらない要素が満載です。 - 時代を超えた人間ドラマ: ゴウの過去と現在が交互に描かれることで、時代の流れと人々の繋がりが鮮やかに浮かび上がります。
家族、友人、恋人など様々な人間関係を通して、人生の機微が丁寧に描かれています。 - 心温まる感動: 物語の根底には、人を信じること、夢を追いかけることの大切さといったテーマが流れており、読後、心が温かくなるような感動を覚えます。
映画の力を信じ、人生を肯定するメッセージは、多くの人の心に響くでしょう。
こんな人におすすめ!
- 映画が好きな人
- 昭和の時代に興味がある人
- 家族の絆を描いた物語が好きな人
- 心温まる感動的な物語を読みたい人
- 原田マハ作品が好きな人
『キネマの神様』は、映画を愛する人だけでなく、人生の素晴らしさや、人との繋がりの大切さを感じたい全ての人におすすめの作品です。
映画と共に生きてきた人々の人生を通して、大切な何かを見つけてみてください。
『本日はお日柄もよく』原田マハ
「言葉は世界を変える。」
二ノ宮こと葉は、密かに想いを寄せていた幼馴染の結婚式で、心を揺さぶられるスピーチに出会う。
それは伝説のスピーチライター、久遠久美による祝辞だった。
その言葉に魅せられたこと葉は、久美に弟子入りし「言葉」の修行を始めることに。
スピーチライターの世界は、華やかであると同時に、言葉の重みと責任を伴う厳しい世界。結婚式、選挙演説、企業のプレゼンテーションなど、様々な場面で求められる言葉を紡ぎ出すこと葉は、葛藤しながらも成長していきます。
言葉の力で人を動かし、心を掴むことの素晴らしさと難しさを描き出す物語。
こと葉はどのような言葉を紡ぎ、人々の心を動かしていくのでしょうか。
言葉の持つ無限の可能性と、それを使う人々の情熱を描いた、心に響く物語を覗いてみませんか?
作品の見どころ3つ紹介!!
- スピーチライターの世界: 普段はあまり知ることのないスピーチライターという職業を通して、言葉の持つ力や、それを操るプロの技術を垣間見ることができます。
スピーチが生まれるまでの過程や、言葉選びの重要性など、興味深い描写が満載です。 - 主人公の成長物語: こと葉が、スピーチライターとして成長していく過程が丁寧に描かれています。
師匠である久美との関係や、様々な依頼を通して、言葉の力を学び、自分自身の言葉を見つけていく姿は、読者の共感を呼びます。 - 心に響く言葉たち: 物語の中に登場するスピーチは、どれも心に響く力強い言葉で溢れています。
結婚式での祝辞、選挙演説、企業のプレゼンテーションなど、様々な場面で使われる言葉を通して、言葉の持つ力、そして大切さを改めて感じることができます。
こんな人におすすめ!
- 言葉に興味がある人
- お仕事小説が好きな人
- 成長物語が好きな人
- 原田マハ作品が好きな人
- 人の心を動かすスピーチに興味がある人
『本日は、お日柄もよく』は、言葉の力、そしてそれを使う人々の情熱を描いた、心に響く物語です。言葉の持つ可能性を感じたい全ての人におすすめです。
『民王』池井戸潤
「政界の常識、非常識!」
ある日突然、内閣総理大臣の武藤泰山と、その大学生の息子・翔の心(中身)が入れ替わってしまうという前代未聞の事態が発生!
原因もわからぬまま、泰山の代わりに国会に出ることになった翔は、政治の知識も経験もゼロ。
漢字もまともに読めない彼が、総理大臣として国会で答弁する羽目になるという大ピンチ!
一方、泰山は大学生の体で、戸惑いながらも大学生活を送ることに。
果たして二人は無事に元の体に戻れるのか?そして、この入れ替わり劇の裏には、何か陰謀が隠されているのか?政治の世界を舞台に繰り広げられる、笑いとスリル満載の物語。
予測不能な展開に、目が離せなくなること間違いなし!
政界の裏側をコミカルに描きながらも、現代社会への鋭い風刺も込められた、エンターテインメント作品です。
この奇妙な入れ替わり劇の結末を見届けませんか?
作品の見どころ3つ紹介!!
- 奇想天外な設定: 総理大臣と息子の心が入れ替わるという、斬新でユーモラスな設定が最大の魅力。
この設定が生み出す数々のギャップや勘違いが、物語を大いに盛り上げます。 - 痛快なストーリー展開: ストーリーはテンポ良く進み、読者を飽きさせません。
政治の世界を舞台に、様々な事件や陰謀が絡み合い、最後までハラハラドキドキの展開が続きます。 - 現代社会への風刺: 物語は単なるコメディではなく、現代の政治や社会に対する鋭い風刺も込められています。
政治家の言葉遣いやマスコミの報道など、現代社会の問題点をコミカルに描き出しています。
こんな人におすすめ!
- 池井戸潤作品が好きな人
- 政治や社会問題に興味がある人
- ユーモアのある物語が好きな人
- スリリングな展開を楽しみたい人
- 普段小説を読まない人にもおすすめ
『民王』は、難しい政治の話をコミカルに、そしてエンターテインメントとして楽しめる作品です。
政治に興味がない人でも、気軽に楽しめる内容となっています。ぜひ、この機会に手に取ってみてください。
最後に
ご紹介した6作品は、どれも心を揺さぶる物語であり、読後には何かを得られる、記憶に残る作品ばかりです。
大人の方はもちろん、普段あまり本を読まないお子さんにも、ぜひ手に取っていただきたいと心から願っています。
昨今、自己啓発本をプレゼントする方が多いようですが、確かにためになる情報が詰まっている一方で、面白さに欠けるものも少なくありません。
必要としていない知識を一方的に押し付けられるような読書体験は、苦痛でしかありません。
そこで、まずは「本を読むことは面白い」という、最も大切な原点を体験させてあげてはいかがでしょうか?
物語を通して心を動かし、知的好奇心を刺激することで、自ら学びたい、知識を得たいという意欲が自然と湧いてくるはずです。
そうして自らの意思で手に取った自己啓発本こそ、本当に身になるのではないでしょうか。
ご紹介した6作品が、誰かのそのような架け橋となりますように。
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